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めずらしい名前・地名と業界用語について院長が勝手ながら望むこと。

[2025.03.10]

毎日多くの患者さんを診ていると、ひとの名前が大好きな院長は「自分がいままで経験したことがないファミリーネームやファーストネーム」に出会うと、つい「この名字はどこかの地域に多いのでしょうか?」とか「キレイなファーストネームですね。一回見たらすぐ覚えられます」とか言ってしまいます。

現在夫婦別姓についての議論を聞くことがありますが、全く歴史的・伝統的なことから外れて勝手な意見を言えば、「めずらしい名字はぜひ残して欲しい」と思う派です。単純にそういった名字は貴重なので。

これは地名についても言えることで、むかしからある字(あざ)名などを市町村合併などで消してしまうのは少し残念です。地名は「人類における生きた化石」と言われることがあります。すなわち長い歴史においてその歩みを刻んできた記号であり、軍事(たとえば東京の "台場")や災害(たとえば秦野市内の関東大震災で形成された "震生湖")など、悪いことも含めてまさに歴史を著しています。なるべくそういった「過去の記憶」は現代に生きるわれわれにとっても重要な情報なので残っておいて欲しいですね。

さらにもうひとつ少し関連した話題を。

突然ですが、以前院長は横浜駅そばに住んでおり、よく羽田空港へのアクセスに便利な京急を利用していました。京急は院長が好きなバンド、くるり の『赤い電車』 モデルになっており、東京と神奈川をものすご〜く渋い街まで駆け抜ける、面白い電車です(以前上大岡駅の病院で外来診療をしていたのですが、個人的には弘明寺駅で降りてかんのん通り商店街を抜けて市営地下鉄弘明寺まで行って附属横浜中の前に出てから旧鎌倉街道を歩いて病院まで行くのが好きでした)。

そんな京急の駅看板にこんな文章が 2019 年に掲載されました。

「早パタ、遅パタ、バタバタな皆さまへ」で始まる広告で、「CATが出現して、14フォックスのPAXからCallボタンが止まらない」
「帰りはDHで、明日はサブローとして搭乗」などの文が連なります。・・・なにこれ?

これは美容フェイスマスク「LuLuLun」を販売するグライド・エンタープライズ社さんの広告。一見暗号ですが、航空業界に就く人ならば「すらすら読める」メッセージだそうです。

近年医療業界に対しても「医療従事者は一般のひとにもわかるように話すべき」と言われることがあります。これは全くそのとおりで、病状の説明や、病態について解説するときは平易な言葉を用いるべきでしょう。ただ「すべての業界用語を禁止して患者さんにわかるように話せ」みたいな意見を言われることがありますが、それはご勘弁を。医療用語のなかにも名字や地名と同様、これまで使われてきた歴史があるのです。

そんなわけで「明日は高血圧とディーエム合併して以前ザーで救急搬送、その 2 年後にトリプルエーのオペを受けたこともある高齢の患者さんがビーピーエイチ評価のためのユーエス目的で来院されるのでウロ医の自分はそろそろ寝ます」。

・・・わかるかな?まぁ、こんな言葉たちが 100 年後も残っていたら院長はなんとなく嬉しい。

写真は最近読んだ本。今回のブログ内容も一応学問的には民俗学を含むか・・・。

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