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睡眠のタイプを簡単に調べて早速実践してみませんか。

[2025.02.22]

高校・大学の頃本当に院長は朝弱く、なかなか起きられずに何回も遅刻をしました。大学入試の面接のときも高校からの内申書(で呼び方合ってる?)に「遅刻 38」と書かれており、「キミはなんでこんなに遅刻しているの?」と聞かれました。この傾向は社会人になっても続き、(院長が医師 1 年目の頃東京医科歯科大学病院は新人の仕事始めが GW 明けだったのですが)記念すべき医師としての勤務 1 日目の 2001 年 5 月 7 日、病院のオリエンテーション当時に起きたら『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングがすでに終わっており、ものすごく青ざめたことが今でもときどき夢に出てきます。とにかく夜はいつまでも元気で勉強することもあれば映画を観たり、高校時代封印していたドラゴンクエストを明け方までやり続けたりしていました。個人的には若い頃は「自分が朝弱かった」というよりも「朝という奴がやたら強かった」という印象です。

当時から「若い人間ほど朝型になって 1 日を有効に活用しよう!」みたいなことを言うひとはいましたが、最近の睡眠学によると、"朝型 or 夜型" というのはそのひとそのひとである程度決まっており、持って生まれた性質が多分に含まれるようです。

ではどのようにして自分が朝型か夜型かを判定するのがいいか?これはすごーく便利なものがありまして、「朝型夜型質問紙」とググってみてください。URL で https://www.sleepmed.jp/q/meq/meq_form.php にたどり着くはずです。ここには 19 問の判定用質問が用意されていて、自分がどちらかがわかるようになっています。これは「体内時計の時相周期を外から強い刺激が与えられない環境で自由に回したときに 24 時間より 短い/長い でそれぞれ 朝型/夜型になる」ということを踏まえた質問票になっています。ちなみに院長は図左のように「ほんの少しだけ朝型」でした。

では「少し朝型」の院長がなぜ若い頃は強敵である "朝" に敗北していたのか?

これは「年齢によって朝型/夜型が大きく変化する」というデータ(図右, Roennenberg T, Sleep Med Rev 2007)があり、それを反映しているものと思われます。このグラフは上にいくほど夜型なのですが、10 代後半〜30 歳くらいまではかなり夜型で、院長の現年齢である 48 歳の部分をみると大体 11-12 歳くらいと同じくらい「朝型がわに寄」っています。

以上をまとめると、「高校生くらいから 30 歳くらいまでは睡眠学的に夜型傾向になるのは自然の摂理であり、この年代に無理矢理早起きさせるのはあまり科学的ではない」のかもしれません。現在世の中 8:30 くらいに学校や仕事が始まりますが、もしかすると高校や大学は 10:00 くらいから始めるほうが学生や若手社員のパフォーマンスは向上するのかもしれません。昨今「日本の大学生は学ばない」「日本人は生産性が高くない」などの批判がありますが、一部の企業ではすでにアタリマエになっている「フレックス制」。これを学生をふくむ若者にとってもひとつの選択肢になっていけばその批判に対抗できるのかも。

院長はこれからどんどん体内時計的には朝型になっていく年齢ですが、若手スタッフが寝坊して遅刻したときに(滅多にありませんが)科学的に考えて少し許容できる余裕を持っていこう、と思わせるデータでした。

(本日の話題は 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長 で睡眠に重要な神経伝達物質の発見者 柳沢 正史 先生の講演内容を大いに参考にしています)

     

 

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