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これから暑くなる季節に向けて料理がほとんどできない院長がエラそうにレシピについて書いてみました。

[2025.05.07]

いつも午前の診療終了後昼休み中、クリニック庭で大きな甕(カメ)の中に飼っている 30 匹くらいいるメダカにエサをあげています。冬の間、彼らはエサをあげてもゆ~っくりとしか甕の底から泳ぎ上がってこないのですが、本日は院長の影を感じると「エサをくれるおっさんだ!」くらいの勢いで猛スピードで水面の方に上がってきました。あたたかくなってきたということでしょう。本日は暑い季節に備えて「内側からじんわり涼しくなる」食べ物のハナシをさせていただきます。

ただし、院長もまだまだこういった内容(薬膳など)については初学者です。というのも、もともと院長の育った実家が茅ヶ崎市の海そばだったので、近所にあまり畑がなく、(海でクラゲにはたくさん刺されたことがあるのですが)「野菜や果物について、いつ頃、どれが “旬” なのか」などの生きた知識があまり幼少期につかなかったからです。漢方を勉強するようになった 10 年ほど前から、生薬として陳皮(みかんの皮)、山薬(里芋)、猪苓(チョレイマイタケ(キノコ))など自然の食べ物がたくさん出てくるのでそれに乗じて知識をつけたというくらいです。このあたりの知識はつきつめていくとかなり深いのですが、今回の内容は参考程度にとどめておいていただければ幸いです。

そもそも、「薬膳(やくぜん)」とは、中国の伝統医学に基づく食養生(=食べて健康になる)の考え方で、漢方とは親戚関係のような感じです。体質や季節に応じて、どんな食材をどう食べるかを考えて組み合わせる、まさに “食べる処方せん” というところでしょうか。

漢方医学のなかで「五臓六腑」という言葉があり、五臓には「肝・心・脾・肺・腎」がふくまれますが、暑い時期は「心(しん)」の不調が比較的起こりやすいとされています。"心=心臓や精神活動に関わるエネルギーセンター” と考えるとよいかもしれません。いわゆる西洋医学の「心臓」ではなく、緊張するときの動悸など、精神的な影響も「心」の症状と考えます。

漢方医学のなかで「気・血・水」という言葉あるのですが、暑い時期の気候(「暑邪(しょじゃ)」と呼ばれる)ではカラダが熱くなって乾きやすく、体内の「気(き)」と「津液(しんえき)=水分」が消耗されやすい、と考えます。

つまり、

  • 汗をかきすぎてバテる
  • のぼせる
  • むくむ
  • イライラする
  • 寝つきが悪い

といった、現代人がよく抱える “夏に多い不調”は、東洋医学でも説明可能です。こんなときにオススメするのは以下のふたつ。

① 熱を冷ます食材(寒性・涼性)

体内の熱をやさしくクールダウンしてくれるもので、代表的なのはスイカ(清熱・利尿)、キュウリ(体の余分な熱と水分を出してくれる)、苦瓜(ゴーヤ)(苦味が「心」にいい)、緑豆(りょくず)(熱中症対策に古くから使われていた)、トマト(熱を冷ましつつ、体液を潤す)などです。

② 潤いを補う食材(滋陰)

汗で失われた水分や“潤い”を内側から補うもので、代表的なのは、白きくらげ(肺や肌を潤す)、梨(潤いと同時に喉の炎症もケアできる)、百合根(ゆりね)(心を落ち着ける作用)、豆腐・豆乳(体に優しく潤い補給)、ハトムギ(むくみとりに強力)などです。

以下、料理が全くできない院長にかわって Chat GPT に考えてもらった暑い時期の薬膳レシピを 3 つ紹介します。

1. 緑豆とハトムギのひんやりスープ

  • 材料:緑豆・ハトムギ・はちみつ(または黒糖)
  • 緑豆とハトムギを水に30分つけてから、やわらかくなるまで煮る
  • 粗熱をとって冷やし、はちみつで甘みを加える
  • →カラダの熱を取りながら、利尿作用もありむくみに効く一杯!

2. ゴーヤと豆腐の冷しゃぶサラダ

  • 材料:ゴーヤ・豆腐・豚しゃぶ肉・ミニトマト・ごまドレッシング
  • ゴーヤは塩もみして湯通し
  • 豆腐は水切りしてカット
  • 豚肉はさっと湯通しして冷水でしめる
  • トマトと一緒に盛り、ごまドレで完成!
  • →「苦味」で熱を冷まし、「豆腐」で潤い、「豚肉」で疲労回復まで。

3. 白きくらげと梨のデザート煮

  • 材料:白きくらげ・梨・氷砂糖・クコの実
  • 白きくらげは水戻し後、やわらかく煮る
  • 梨を一口大にカットして一緒に煮る
  • 氷砂糖でほんのり甘さをつけ、クコの実をトッピング
  • →潤い&美肌に最強!女性に大人気の薬膳スイーツ。

・・・以上は実際に院長が作れるわけではないので本当に参考までに。

さて、ここまでクールダウンのお話をしてきましたが… 「自分はこんなもの食べなくても氷水・アイス・ビールがあるから大丈夫!」というのはあまりオススメできません。「冷やしすぎ」は “脾(現代医学でいえば肝胆膵)” を弱らせてしまうとされているからです。冷たいものをガブ飲みすると、お腹が冷えて消化力が落ち、胃もたれや下痢、だるさの原因に。クールダウンするにも、「体の芯まで冷やさない」バランス感覚が大切なのです。まさに、“冷やしながら潤す”がポイント。

暑いと、「今朝はヨーグルトにハチミツだけでいいや」みたいな感じでついつい乱れがちになる食生活。冷たいもの・甘いもの・簡単なものに偏ると、不調になりやすくなってしまいます。そんなとき、ちょっと薬膳など、昔からの知恵を借りてみると、毎日のごはんが少し頼もしくなります。ちなみに、漢方薬は症状が落ち着けばやめてよいですが、食事は毎日のこと。続けることに意味があります。このとき大事なのは「完璧を目指さない。できるだけでいいや」と達成のハードルを低くしておくこと。毎日の積み重ねがゆっくり "いろいろな季節を乗り切るカラダ" を作ってくれます。

お互い長い目でやっていきましょう☀

本日のイラストは『こち亀』風にしてみました。

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