もうすぐ受験シーズン ⇒ 院長の高校受験(1992 年)をレビューしてみる(その 6 学区について)
本日は高校受験における 1990 年初期神奈川県の学区について、当時のことを振り返りながら私見を述べます。
院長は茅ヶ崎市内の中学校に通っていたのですが、茅ヶ崎学区は高校の選択肢が非常に少ない地域でした。偏差値順に
- 茅ヶ崎北陵
- 鶴嶺
- 茅ヶ崎西浜
- 茅ヶ崎
- 寒川
の 5 校(今は茅ヶ崎高校と西浜高校の順位が入れ替わっているそうです)しかなく、おとなりの鎌倉藤沢学区は湘南・鎌倉・七里ヶ浜・藤沢西・大船・湘南台・大清水・藤沢北・藤沢・深沢・長後の 11 校、厚木高校のある県央地区は確か 15 校以上あったと思いますが、このようにかなり選択肢数のバラツキがあり、正直言って不公平を感じていました。
そして当時、学区外への進学者はその高校定員の 10-15%(だったかな?) くらいしか認められておらず、非常に厳しいセレクションを乗り越えないといけないという現状がありました。
しかし院長が受験する 1992 年入学者から「特例」というよくわからない制度が突然でき、「茅ヶ崎学区から(当時県内トップ校だった)湘南高校に 15 人まで(学区外枠とは別に)進学できる」ということになりました。湘南高校は自宅からも近く、剣道部には通っていた道場でお世話になった T 先生が数学の教師として在籍(しかも剣道部顧問だった)、自分の目標である国公立大文学部進学への道も広く開かれるということで、自分にとって最高のターゲットです。ただしこの「特例」枠に入る基準がよくわかりません。おそらく各校長の推薦が必要だったのだと思います。当時茅ヶ崎学区の中学校は 16 校あり、特例は 15 人枠ですから各校 1 名ずつの計算になり、学年トップが選ばれる、というシナリオで設定された枠であることを中学生にも容易に想像できます。院長は中学時代、どうしてもバスケ部の K 君に勉強で勝てず、ずっと 2 番で卒業しましたので「きっと特例には入れないな」、と勝手に諦めていました。
しかし中 3 の内申点が出揃う 12 月頃に担任の先生から「駒井。お前特例枠で出願できるから」と突然言われたのを今でも覚えています。K 君も特例枠だそうで、自分の中学から 2 名の特例枠が占めたということになります。そして年明けの 1 月下旬か 2 月上旬でしょうか、神奈川新聞に各高校の定員と出願数が発表されたのですが、湘南高校の出願数が 学区内/学区外/特例 で分かれて掲載されており、学区内/学区外 の出願数は 32 年前なのでさすがに覚えていませんが、特例は 「15/15 名」となっており、「倍率 1 倍」(!)であることがわかりました。
おそらく茅ヶ崎学区の校長が集まるか何かして、「この生徒を特例で出願させる」的な会議があったのだと思います。そうでないとこのような「オイシイ枠」で「定員数=出願数」となるはずがありません。
この新聞を見た瞬間、なんだか緊張感が一気に緩んでしまいました。当時受験が終わったら死ぬほどやろうと思ってとっておいたドラクエ IV を入試前 3 週間前に始めてしまい、呆れた高校教師の母親がプレイ中に電源アダプタを引っこ抜き、セーブデータがすべて飛んでしまう(トルネコがそろそろ自分の店を持てるか、というところで「おきのどくですが ぼうけんのしょ 1 ばんはきえてしまいました」と言われました)という、ファミコンでドラクエをプレイしたひとなら一度は経験する悲しい画面をここで見ました。その後ステップの先生にもだいぶ「たるんでるぞ」と言われ、1 週間ほどのダメ人間生活を終えて、気を引き締め直してまた勉強するようになったのですが・・・。
現在、県内には特に学区という縛りはなく、学生はどの高校にも出願できるそうです。組織というのは多様性が最も重要です。特に中学というのは小学校の延長みたいなところがあり、あまり変わり映えしませんので、高校は学区などないほうがよいと思いますので院長の頃よりも改善されていると思います。
ただもっと言うと、この少子化時代、公立高校と言っても生き残りのために特色を出さないといけない時代です。都道府県にとどまらず全国の公立高校にどこからでも出願できるようにしてもいいのではないかとすら思います。制限なく認めてしまうと大学受験を 3 年前倒しするようなことになってしまうので一定の条件(通学時間や定員など)は必要かとは思いますが。そうすることで、なんとなく特色が少なく偏差値だけで並んでいるような公立で「野球に強い」「ダンスがさかん」「外国人が多く多種多様」「学生時代から起業を目指す」「全寮制」「プログラミングに特化」「e スポーツ選手を目指す」など、面白い高校ができてくればいわゆる「普通一般校」になじめない学生の受け皿になれるのではないかと勝手に想像します。15 歳でこういった「思い切った選択」をすることは昔と違って今では受け入れられるのではないでしょうか。教育に関係のない一開業医の勝手な考えですが。
あと 2 日だけこの話題を続けます。とりあえず今一生懸命追い込みしている受験生、カラダに気をつけて頑張ってください。秦野から応援しています\(^o^)/