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院長が飲み会でも結婚式でもノンアルコールで通す最大の理由(でもまわりのヒトにそれを強制することはありませんよ)。

[2025.10.25]

院長はお酒が飲めません。これは「飲めない」というのもありますが、最大の理由は「飲みたくない」だと思っています。以前少し触れたことがあるような気もしますが今回その理由にふれておきます。

院長の父親は大学卒業後に警察官として勤めあげたひとです。現在 82 歳くらい。父はとにかく呑むひとでした。呑むだけならよいのですが、呑んで帰ってくると自宅で暴れるひと、でもあったのです。小学校 4 年の頃は深夜に父親が呑んで暴れる、というのは日常茶飯事で、よく 23:00 とか 24:00 とか普通子どもなら寝ている時間に起こされた記憶があります。当時目撃してびっくりしたのが、酔って帰ってきた父が自分の部屋にある大きな机の上に、そのなかに紙などを挟んで内容を確認できるようになっている仕様の分厚いガラス板を、拳(こぶし)を振り落として割ったことです。あれはすごかった。父の右手から出血していましたし。今の知識があればただちに縫合が必要な創部か確認しつつ水道水で大量に洗浄、ガラス片が残存していないか綿密にチェック、そのうえ創処置、という感じにしますが、医学の医の字も知らない子どもです。普通に「あぁ、大丈夫かなぁ・・・」みたいな感じで眺めていました(そのあと父が受診したかは覚えていませんが、おそらくしていないと思う)。父親は、興奮しているからなのか酔っているからなのか、あまり痛がっている様子がないのもまたびっくりしました。

それ以外にも父が酔って起こした騒動は本当にたくさんあるのですが、そればかり書いてしまうと父がまあ可哀想なのでこのくらいにしておきます。これ読んでるかも知れないし。結局院長が 12 歳くらいだったかに両親は別居し、その後離婚に至りました。

このようなことがあると、当然息子である自分は(上記のように酔って暴れる姿を何度も目にしているので)母親の味方というか、母親と(おばあちゃんと)静かに住みたくなります。ひどいときは父が週 3 回くらいのペースで夜中に起こされ、朝起きるのがつらかったので。そんな経緯で 14 歳くらいからずっと母・祖母・兄・自分の 4 人暮らしで高校まで行かせてもらい、さらに大学は東京で一人暮らしさせてもらいながら卒業までさせてもらいました。ですので母には心から感謝しております。

一方、父は離婚後に自分の知らない女性(それはまあそう。知っているひとだったらイヤです)と再婚し、新たな家庭を築きました。そうなると息子としては・・・なかなか父親に会おうという気になれません。苗字も違うし。結局 30 年くらい父親と会う機会もなく、院長が結婚して子供ができても孫を見せる機会もなく・・・という時間が続きました。

しかしながら「時が経つ」というのはそれだけで様々な心境の変化をもたらします。10 代から 30 代までは全く考えがかすることもなかった「少なくとも父親に何かある前に妻や孫の顔を見せておこう」という思いが芽生えるようになりました。そして 2021 年だったか、ほぼ 30 年振りくらいに会うことになりました。

いや〜、なんだか照れましたね。もともと別居前も父は弟である院長とはウマが合い、院長の兄とはあまりいい関係ではありませんでしたので、なんだか昔にやり残した会話を再開するような雰囲気になって。しかも元気だったので安心しました。ただ(もう暴れることはなくなったものの)お酒は少し嗜んでいるようでした。

医学的なことを言うと、昔あれだけ「酒は百薬の長」とか「少量のアルコールは健康度を向上させる」みたいに言われていたのに、現在のエビデンスとしてはアルコールの健康に対する寄与はかなり限定的であることが分かっています。特に有名なのが、英国の世界的に有名な精神科医、Prof. David Nutt による Lancet というすごく格式高いジャーナルに掲載された論文、「すべての薬物のなかでアルコールが最も(使用者の健康と社会にとって)有害」とする報告です。確かに大麻やヘロインをやっても基本的にそれらの影響で殺人や傷害が起こる頻度は決して多くありませんが、お酒を飲んだひとが自分の健康を損ねるならまだしも、飲酒酩酊中の交通事故や街中のケンカなどで他人を害するというニュースはいくらでもあります。ウチの父親も自分だけで楽しむお酒だったら今でも自分と同じ苗字で人生におけるいろいろな場面で同じ男性として院長が相談できていかも知れないと思うと少し残念な気もします。

・・・こんな感じですから、院長は小さな頃から母親と祖母から「お酒には注意しなさい」と繰り返し言われて育ちました。三つ子の魂なんとやら。何回もそういった言葉を聞いていると、深層心理のなかに「お酒、ダメ、ゼッタイ」が刷り込まれていきますので、アルコール全般がキライになりました。まあ結果的にお酒にかけるおカネと時間をすべて他のことに使えたのでオーライなのですが。

そんな院長も「飲み会」自体はキライではありません。昨日は学会参加後に同期を中心とした仲間といっしょに飲み会、という機会があったのでそのときの様子を明日書いてみたいと思います。

お酒はほどほどに。未成年の飲酒はダメ。ノンアルでもなんでも本人が飲みたいものを。スマドリで!

ものすごい久しぶりに会ったときの父と。父親とカオが似ているとよく言われるので 30 年後はこうなるみたいです。

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